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平山行政書士

ブログ

遺言の効力について

今回は遺言の効力についてお話させて頂きます。

遺言の効力はいつ発生するのでしょう。
遺言は遺言者の死亡のときからその効力を生じます。

遺言の成立自体は、遺言書が作成されたときに成立します。
とはいえ、遺言はあくまでも遺言者の最終的な意思表示の場とされていますから、遺言者は死亡するまではいつでも遺言を撤回することができますので、遺言の効力の発生はいつかということになれば、遺言者の死亡のときとなります。

では、停止条件付遺言の効力はいつ発生するのか。
停止条件とは、例えば結婚したらとか、大学に合格したらとかの条件を付け、それまではその権利は停止することです。

つまり結婚したときにその条件がなされたことになります。
ただし、遺言者が生存している間は効力は生じません。
生存中に条件がなされた場合は、遺言者の死亡したときとなります。

遺言で認知をしたときは、効力はいつ発生するのか。
この場合遺言執行者は、その地位についたときから10日以内に、届出をしなければなりません。
ただし、効力の発生は遺言者の死亡のときに効力が生じ、この出生時に効力が遡及します。

成年の子は、その承諾がなければ認知することができないので、認知の効力は届出のときとなります。
これは認知の届出をするときに、承諾した書面を添付することになっているのでそのときとなります。

遡及とは、その事が起きたときまで遡ることを意味します。
つまり、子が生まれたときまで遡って、その子が生まれたときに認知されたものとされることになります。

今日はこの辺で。

未成年者がいる遺産分割について

今回は遺産分割を行うときに、未成年者がいる場合についてお話いたします。

本来であれば、親権者が未成年者の代わりに遺産分割協議を行うのですが、親権者とその子の間で利益相反となる場合には、特別代理人の選任を家庭裁判所に申立てます。

例えば、父が亡くなって母とその子が相続人の場合は、利益相反行為に当たります。
もしも子が複数いた場合は、それぞれに特別代理人が必要です。

もしも父母が離婚をしていて、母が亡くなり、兄弟の一方が未成年者だった場合。
この場合必ずしも父が親権者として子を代理するとは限りません。
未成年者の意向、生活状況や財産管理などの事情を踏まえた上で決められます。
そういったときは、未成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てます。

未成年後見人は、未成年者の法定代理人であり、未成年者の監護教育、財産管理、契約等の法律行為などを行います。
遺産分割協議に関しては一方の兄弟と、未成年後見人が未成年を代理して行います。

被相続人の相続開始時に母のおなかの中にいた子(胎児)も相続人のひとりとなります。
ただし死産の場合は、相続人ではなかったこととなります。

この子が生まれるのを待って、遺産分割協議を行います。
この場合も、特別代理人を家庭裁判所に申し立てます。
この特別代理人と他の相続人との間で遺産分割協議が行われます。

今日はこの辺で。

遺言代用信託について

今回は遺言代用信託についてお話いたします。

遺言代用信託とはどういったものでしょうか?
委託者(本人)がその財産を第三者に信託して、例えば委託者が生きている間は委託者自身を受益者として、委託者の死亡後に受益者を配偶者や子にすることにより、委託者の死後における財産の配分を図る制度です。

前回お話した遺言信託と違うところはどこなのか?
遺言信託は、民法で定められた遺言の方式に従う必要がありますし、受託者として指定された者が、それを拒否することもあります。

遺言代用信託は、委託者が生前に信託契約を設定するものなので、遺言の方式に従う必要はありませんし、受託者に自分の死後に拒否されることはありません。

遺言代用信託では、委託者は信託契約に別段の定めをしなければ受益者を変更できるとされますし、委託者が死亡するまでは受益者としての権利はありません。
なお、受益者に受託者の信託業務をチエックする監督権を認めていますが、別に信託監督人を置くことも可能です。

自分の死後に家族の生活が困らないようにすることができます。
それと事業承継などにも使えます。

いずれ自分の子に継がせたいがまだ早いという場合は、信頼できる従業員を受託者にする方法があります。
本人が委託者で従業員が受諾者。
自分が生きている間は、自分を受益者にしておくことで配当を得ることができますし、死後は自分の子を受益者にして株式配当を得る事ができるようにしておいて、その子が成長して後継者として育ったら株式をその子に給付するということも可能です。

今日はこの辺で。

遺言信託について

今回は遺言信託についてお話させて頂きます。

そもそも信託とは、委託者が受託者に対して自己の財産権を移転その他の処分をし、受託者が信託目的に従って受益者のために信託財産の管理・処分を行うことをいいます。
信託は生前に契約することもできますし(生前信託)、遺言を使って行うことも(遺言信託)できます。

遺言信託は、被相続人が自分の死後に残される家族の生活費や学費の支払いを確保する目的や、墓地の管理費・供養費の支払いを継続する目的(永代供養信託)で利用されることが多いです。
これを私益信託といいます。

例えば、本人(委託者)が所有する土地に不動産会社等(受託者)に土地の利用を委ね、不動産会社等がその土地にビルを建設・管理をして、賃料収入を受益者に交付するなどします。

福祉・教育・芸術機関などへの助成金の支給といった公益目的のために利用されることもあります。
これを公益信託といいます。

遺言書に信託目的・信託財産・受益者・受託者・期間を記載します。

信託は一定の目的に従って行われるものなので、被相続人の死後、受託者が信託業務を行う目的を明確に記載しておく必要がありますが、特に限定はありません。
ただし、訴訟行為をさせることを主たる目的とする信託は法律上禁止されています。

信託財産も、被相続人の死亡時には確定されていなければなりません。
信託財産は金銭的に評価できる財産権であることが必要です。
物件・債権や著作権・特許権などの無体財産なども可能です。

受益者を定めるときは、遺言の中で受益者を具体的に指定するか、客観的に特定できるようにしておく必要があります。
信託が開始されると受益者は別段の定めがない限り、受益の意思表示をしなくても当然に信託の利益を得ることができます。
2人以上を受益者として指定することもできます。

一定の条件のもとであれば、受益者の定めのない信託をすることもできます。
これを目的信託といいます。

受託者は、財産の管理能力にたけた信頼のおける人や法人を指定しておきます。
2人以上を指定することもできますし、相続人の中から指定することもできます。
遺言に受託者が指定されていても、その受託者は信託の引き受けを拒否することができますし、遺言に受託者の指定がなかったときなどは、利害関係人の申立てによって裁判所が選任します。
未成年者や成年被後見人・被保佐人は受託者となることはできません。

信託の存続期間については、受益者を定めない場合を除き、特段の規定はありません。

信託財産は遺産分割の対象にはなりませんが、遺留分の規定には勝てませんので注意が必要です。

今日はこの辺で。

遺言で親族以外に遺贈するケース

今回は遺言を使って、遺贈を行うケースについてお話いたします。

民法では、”相続” できるとしているのは、配偶者・子(孫)・親(祖父母)・兄弟のみです。

例えば、配偶者もなく子もいない、両親もすでに他界している。
孫も祖父母もいないときの相続人は兄弟となります。
この場合、遺言がなくても兄弟(兄弟の子)が相続します。

子の妻(嫁)に老後の面倒をみてもらった・愛人(愛人の子)に少しばかり遺してあげたいなどの場合、生前にそのようにしておくしかないのです。
疎遠で、ろくに話したこともない弟の子しか相続人がいなければ、弟の子がすべての財産を相続するということになります。

妻が先立ち、息子も亡くなってしまい、弟はそりが合わないこともあり、両親が亡くなった後は法事のときぐらいしか顔を合わさなくなった。

それでも弟が生きている間は、回数は知れているものの法事のときにあっていたことになりますが、この弟が亡くなった後はもう20年ぐらい弟の家族とは没交渉であったとしても、弟の子(弟の代襲相続人)は相続人なのです。

息子が亡くなった後も、老いた自分の面倒を長い間みてくれた息子の嫁は相続人ではありません。
生前になんとかするか、遺言を遺さなければこの嫁は家を追われる可能性すらあります。

このケースであれば、遺言で息子の嫁に遺贈することで自分の財産をすべてこの嫁に与えることができます。
兄弟(この場合弟の子)には遺留分がありません。

何らかの面倒を掛けた人へ何かを譲りたい場合でも同じです。
それが他人であっても。

民法の解釈として、法を持って戦わないものは助けないとしています。
それを置きかえれば、結果としてどんなに非情な形になったとしても、そもそも準備ができるのに準備をしなかった者が悪いとなります。

もちろんこれは一つの例であり、悪くてもいいと言っているのではありません。

今日はこの辺で。

遺言の撤回について

今回は遺言の撤回についてお話いたします。

遺言者はいつでも遺言の方式に従って、遺言の全部または一部を取り消すことが認められています。
これは遺言の効力が発生する前に遺言者の意思が変わった場合で、法律的には遺言の撤回となります。

遺言者に一定の事実があった場合に、法律上遺言が撤回されたものとみなす場合があります。
これを法定撤回といいます。

前の遺言と後の遺言とで食い違いがあるときは、その部分に関しては後の遺言が前の遺言を撤回したものとみなします。
例えば、この土地をAに相続させると遺言した場合に、あとの遺言でこの土地をBに相続させるとしたときは、Aに相続させる遺言を撤回したとみなすということです。

遺言者が遺言後にその内容と違う法律行為をしたときは、その行為によってその遺言を撤回したものとみなします。
例えば、この土地をAに相続させると遺言したにも関わらず、その土地を遺言者自ら売ってしまった場合は、この土地をAに相続させると遺言を撤回したものとみなすということです。

遺言者が故意に遺言を破棄したときは、その部分については破棄したものとみなします。
例えば、この土地をAに相続させるとした遺言書を遺言者自らが破り捨てたときは、その部分は遺言を撤回したものとみなすということです。

遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときは、その破棄した部分については遺言を撤回したものとみなします。
例えば、Aにこの腕時計を相続させるとした後で、その腕時計を遺言者自らが故意に壊したときは、その部分については遺言を撤回したものとみなすということです。

これらはあくまでも、遺言者が故意にしたことが必要です。
遺言者の過失や第三者によってなされた場合はこの限りではありません。

今日はこの辺で。

株式を相続した場合について

今回は株式を相続した場合についてお話いたします。

株式が2人以上の者の共有に属するときは、原則として共有者は、株式についての権利を行使する者1人を定めなければなりません。
会社が株主に対する通知または催告を受領する者1人を定め、氏名または名称を通知しなければなりません。

会社が株主名簿管理人を置いている場合は、株主名簿管理人に対して通知します。
おいていない場合は、会社に対して通知します(上場会社の場合は、証券会社を通じて通知します)

遺産分割協議をする前提として、株式数を確認する必要がありますので、会社に対して、株主名簿に記載されている株式数についての証明書を請求します。
請求方法は各会社によって異なりますが、株式名簿記載事項証明申請書を提出します。

株式を相続した相続人が、会社に対して権利行使をするために、株式名簿記載変更申請書を提出します(このとき遺産分割協議書等を添付します)
株式名簿管理人が置かれている場合は、その信託銀行等に対し、相続による株式名義書換請求書を提出します。

株券が発行されている場合は、株券の裏面に相続人の氏名を記載して提出します(遺産分割協議書等を添付します)
遺産分割協議書の代わりに、相続人名義書換同意書(法定相続人全員の署名押印したもの)
を提出することもできます。

今日はこの辺で。

 

尊厳死宣言書について

今回は尊厳死宣言書についてお話いたします。

尊厳死とは、将来治る見込みのない病気にかかり回復不能な状態になった場合に、人間としての尊厳を保つため、延命のためだけの治療行為を中止するという考え方です。
ただ患者の苦痛を除去するために死期を早めるための治療行為を行う安楽死とは区別されます。

尊厳死の要件とは、患者が治療不可能な病気に冒され、回復の見込みがなく死が避けられない末期状態であること。
治療行為の中止を求める患者の意思表示が存在すること。
中止の対象は疾病を治療する・対症療法・生命維持の措置です。

ただしこれらがすでに法的に容認されているわけではございませんので、誤解のないようお願い致します。

ここでいう尊厳死宣言書とは、尊厳死を望むということを公正証書で行うという、一つのやり方です。
このとき、2名以上の医師の診断があること。
あらかじめ家族の了承を得ておくこと。
任意の意思表示であること。
その他、尊厳死宣言に沿った対応をした医師等が刑事訴追等を受けないようにするための配慮をしておくなどもあります(刑事訴追等の回避の要望を尊厳死宣言書の中に入れておくなど)

なお、これはこういった方法もあるということであり、尊厳死などは許されるべきではないという考え方もありますので、あくまでも本人の意思表示のひとつであるとお考え下さい。

今日はこの辺で。

解除条件付遺贈とは

今回は解除条件付遺贈についてお話します。

遺贈をするときに条件を付けて遺贈することを条件付遺贈といいます。
解除条件とは、条件付遺贈の一つで、ある条件を付けて、それが消滅することで遺贈という行為自体が消滅することをいいます。

例として、個人事業主が自分が所有する不動産を使って、ある事業をしていたとします。
子供はその事業に関わっておらず、事業を継ぐ気もない場合にその事業を継続させる為に、第三者に事業を継ぐことを条件に、その第三者に不動産を取得させます。
その後第三者が事業をやめるときは遺贈は効力を失い、その不動産を相続人に取得させることができるというものです。

不動産の遺贈の場合は、その遺贈の効力が失われることで、不動産を取得する者は遺贈が解除条件付であることを登記しておきます。
そうしておけば、その第三者が自分が不動産の所有者であることをいいことに、他人にその不動産を第三者に売渡し、それを登記したとしても、不動産の買主に対して不動産の所有権を主張できます。

所有権自体を取得しているために、事業を継続している間は相続人でも手が出せませんし、事業をやめれば相続人に不動産を取得させることができる方法です。

そして第三者は、この相続人の権利(事業をやめたら不動産を取得すること)に対して、害を与えることはできません。
例えば、故意に建物の全部または一部を壊した場合には、条件付の権利の侵害として、相続人に損害賠償を請求されることになります。

今日はこの辺で。

農地を相続する場合

今回は農地を相続することについてお話します。

最近では父親が農業をしていて、その父親が亡くなられたときに相続人が誰も跡を継がないケースが増えています。

農地は売るときも、貸すときも農地のある市町村の農業委員会の許可が必要になってきますが、相続で権利取得する場合は許可は不要です。
ただし、農業委員会へ届出をしなければなりません。
権利の取得を知った日の翌日からおおむね10か月以内とされています。
相続人への特定遺贈の場合も、農業委員会への許可は不要、届出は必要です。

相続した後、売るときは許可が必要で、許可のない売買契約は無効です。
相続後、人に貸すときも同様です。

相続人以外に遺贈する場合には、包括遺贈の場合は許可は必要ありませんが、特定遺贈の場合は許可が必要です。
ただし包括遺贈の場合も、届出は必要です。

特定遺贈とは、財産を特定して遺贈することです。
包括遺贈とは、遺産の全部または一部を割合的に遺贈することです。

農地として売る場合、貸す場合は上記のとおりです。

相続した農地を、農地以外の目的で使用する場合は、知事の許可が必要です。
相続した農地を、農地以外の目的で売ったり貸したりする場合も、知事の許可が必要です。

今日はこの辺で。