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平山行政書士

ブログ

受益者連続型信託とは

今回は受益者連続型信託についてお話いたします。

受益者連続型信託とは、受益者が死亡するとその受益権が消滅し、他の者が新たに受益権を取得するということです。

これは以前お話した、遺言信託として行う場合は父親を委託者として、遺言で受益者を長男に定め、長男の死後その子(遺言者からみて孫)を受益者と定めます。

遺言代用信託(信託契約によるもの)の場合は、委託者である父が自らを受益者としておいて、自分の死後長男を受益者と定め、長男の死後はその子(孫)を受益者と定めます。

ひとつの問題点として、ある世代の者が決めた財産の利用の方法に、その後の世代の者たちが拘束されることになるという意見があります。

例えば、全部または一部の遺産を分割禁止にすることができるのは5年以内ですが、この受益者連続型信託を使えば事実上分割できなこともあり得ます。

ただし、あくまでも所有権ではなく受益権であるとして、信託がされたときから30年経過したとき以後に現存する受益者が死亡するまで、または受益権が消滅するまでと定められています。

仮に信託開始から40年後に現受益者が死亡したとしても、信託開始から30年経過したときに現存している次の受益者がいれば、その者が亡くなるまではこの受益権は存在することになります。

今日はこの辺で。

遺留分に関する民法の特例について2

今回は前回の続きで、遺留分に関する民法の特例についてお話いたします。

前回は主に株式についてでしたが、いわゆるオプションとして、株式以外に推定相続人全員の合意により、後継者となる相続人が父親から直接的または間接的に贈与によって取得した財産の価額を、遺留分算定の基礎財産から除外することができます。
これは例えば事業用の不動産など、株式以外の資産でも事業承継を行う上でとても重要になってくるものなどが考えられます。

一方後継者とならない相続人とのバランスを取るために、後継者は一定額の金銭を支払うことや、父親に対しても生活費として毎月一定額の金銭を支払うことなどを推定相続人全員で合意します。
その他、後継者以外の相続人が父親から贈与された財産の価額を遺留分算定の基礎財産から除外する旨の合意を行うこともできます。

ただし、合意については両方とも書面で行う必要があります。

前回お話した除外行為・固定合意や、今回のオプションとしての合意が効力を得るための手続を後継者である推定相続人が行うことで、それ以外の推定相続人の負担軽減と、推定相続人全員について統一的な処理を行うことができます。

まずは、経済産業大臣の確認を受けます。
それから1か月以内に、家庭裁判所に許可申請を行います。

家庭裁判所の許可があった場合は、除外行為やオプションとしての合意に係る財産の価額を、遺留分算定の基礎財産に算入しないことになります。
固定合意に係る株式は、合意された価額で算入することになります。

今日はこの辺で。

遺留分に関する民法の特例について

今回は遺留分に関する民法の特例についてお話いたします。

経営承継円滑法に定められています。
正式には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律といいます。

父から子へ事業承継するときに、この遺留分による制約が足かせになってきました。
仮に、後継者に株式全部を贈与したとしても、この遺留分があることで株式が分散してしまうことが多くありました。

民法による場合、後継者が旧代表者から贈与された株式等は、特別受益として遺留分算定基礎財産に算入されるので、遺留分減殺請求の対象になります。
また、生前贈与された財産を遺留分算定基礎財産に算入すべき価額は、相続開始時を基準に評価された価額となります。
生前贈与されてから相続開始までに株式等の価値が、後継者の努力によってもたらされたとしても、上昇した価額が遺留分算定基礎財産に算入されることになります。

それを推定相続人全員で合意を行い、経済産業大臣の確認や家庭裁判所の許可を経ることで、旧代表者から後継者に贈与された株式等について、その価額を遺留分算定基礎財産に算入しないこと(除外合意)
遺留分算定基礎財産に算入すべき価額をあらかじめ固定すること(固定合意)という民法の特例を受けられる制度です。

後継者が株式を処分したり、旧代表者の生存中に経営に従事しなくなった場合など、後継者以外の推定相続人を保護するために、あらかじめ協議を行った上で合意を解除することや、一定額の金銭の支払いを請求できることなどを定めることができますので当事者間のバランスをとれるようにしてあります。

この続きはまた後日お話いたします。
今日はこの辺で。

 

小規模宅地の特例について

今回は小規模宅地の特例についてお話いたします。

相続開始直前において、被相続人等の事業または居住の用に供されていた宅地等について、相続人等が事業または居住を継続する場合、その宅地等の価格の20%または50%のみを課税価格に算入するという特例があります。

居住用宅地の場合は面積が330㎡まで、事業用の場合は400㎡までです。
その宅地等が両方に要されている場合は、居住用が330㎡+事業用が400㎡まで可能です。
貸付事業用宅地は200㎡までです。

相続開始直前とはつまり、亡くなる前まで被相続人が住んでいる必要があるということになります。
ただし、老人ホームに入所したことにより、被相続人が実際には住んでいなくても、介護が必要なため入所したこと、その家を誰にも貸していないなどの要件を満たしていれば、特例を適用することは可能です。

しかし遺産分割が完了しなければ、この特例を受けることはできませんので注意が必要です。

また、被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族が事業の用若しくは居住の用に供していた宅地を、個人が遺贈または死因贈与によって取得した場合、居住用宅地は330㎡、事業用宅地は400㎡、貸付事業用宅地は200㎡まで適用されます。

特定遺贈の場合は、遺産分割が完了していなくてもこの適用を受けることができますが、包括遺贈の場合は、遺産分割が完了する必要があります。

今日はこの辺で。

 

遺言代用信託について

今回は遺言代用信託についてお話いたします。

遺言代用信託とはどういったものでしょうか?
委託者(本人)がその財産を第三者に信託して、例えば委託者が生きている間は委託者自身を受益者として、委託者の死亡後に受益者を配偶者や子にすることにより、委託者の死後における財産の配分を図る制度です。

前回お話した遺言信託と違うところはどこなのか?
遺言信託は、民法で定められた遺言の方式に従う必要がありますし、受託者として指定された者が、それを拒否することもあります。

遺言代用信託は、委託者が生前に信託契約を設定するものなので、遺言の方式に従う必要はありませんし、受託者に自分の死後に拒否されることはありません。

遺言代用信託では、委託者は信託契約に別段の定めをしなければ受益者を変更できるとされますし、委託者が死亡するまでは受益者としての権利はありません。
なお、受益者に受託者の信託業務をチエックする監督権を認めていますが、別に信託監督人を置くことも可能です。

自分の死後に家族の生活が困らないようにすることができます。
それと事業承継などにも使えます。

いずれ自分の子に継がせたいがまだ早いという場合は、信頼できる従業員を受託者にする方法があります。
本人が委託者で従業員が受諾者。
自分が生きている間は、自分を受益者にしておくことで配当を得ることができますし、死後は自分の子を受益者にして株式配当を得る事ができるようにしておいて、その子が成長して後継者として育ったら株式をその子に給付するということも可能です。

今日はこの辺で。

尊厳死宣言書について

今回は尊厳死宣言書についてお話いたします。

尊厳死とは、将来治る見込みのない病気にかかり回復不能な状態になった場合に、人間としての尊厳を保つため、延命のためだけの治療行為を中止するという考え方です。
ただ患者の苦痛を除去するために死期を早めるための治療行為を行う安楽死とは区別されます。

尊厳死の要件とは、患者が治療不可能な病気に冒され、回復の見込みがなく死が避けられない末期状態であること。
治療行為の中止を求める患者の意思表示が存在すること。
中止の対象は疾病を治療する・対症療法・生命維持の措置です。

ただしこれらがすでに法的に容認されているわけではございませんので、誤解のないようお願い致します。

ここでいう尊厳死宣言書とは、尊厳死を望むということを公正証書で行うという、一つのやり方です。
このとき、2名以上の医師の診断があること。
あらかじめ家族の了承を得ておくこと。
任意の意思表示であること。
その他、尊厳死宣言に沿った対応をした医師等が刑事訴追等を受けないようにするための配慮をしておくなどもあります(刑事訴追等の回避の要望を尊厳死宣言書の中に入れておくなど)

なお、これはこういった方法もあるということであり、尊厳死などは許されるべきではないという考え方もありますので、あくまでも本人の意思表示のひとつであるとお考え下さい。

今日はこの辺で。

死後事務委任契約について

今回は死後事務委任契約についてお話します。

自分の死後に何らかの理由で、親族などに死後の事務手続き(葬儀や埋葬等)を頼みにくい場合に、生前に委任契約をしておきます。

民法では、委任契約は委任者または受任者の死亡によって終了すると定めていますが、短期的なものであればできるものがあります。
ただし、死亡してもこの契約は終了しない旨の特約をしておくことが必要です。
それとあくまでも短期的なものなので、何年もかかるようなものはできない可能性があります。

他の契約では、委任者(この場合は自分のこと)の死亡によって契約は終了してしまいますので、葬儀費用などが支払えません。
例えば、生前に見守り契約や任意後見契約をしていた場合に、自分が亡くなるとその契約はそこで終了してしまうということです。

遺言を遺したとしても、法定遺言事項でないものに関しては、相続人に対して法的な拘束力をもたないので、生前にこの死後事務委任契約を結んだうえで、相続人はこの契約上の権利義務も承継する旨もこの中に盛り込んでおきます。

他にも、自分の債務の返済や親族関係者への連絡や家財道具などの処分に関する事務などの手続が考えられます。

今日はこの辺で。